始まりは1868年、スコットランドの一腹
ゴールデンレトリーバーの歴史は、1868年、スコットランド北部の Guisachan で生まれた一腹にさかのぼります。ダドリー・マージョリバンクス(初代トゥイードマウス卿)が、黄色い被毛のレトリーバー「Nous」と、いまは絶滅したトゥイード・ウォーター・スパニエル「Belle」を交配し、4頭の黄色い子犬が生まれました。GRCA
トゥイードマウス卿は1835年から1890年にかけて繁殖の記録を残しました。この記録がのちに公開されたことで、ゴールデンレトリーバーの成り立ちを文書でたどることができるようになりました。GRCA
鳥猟の回収犬として育てられた犬
この犬たちに求められたのは、撃ち落とされた鳥を傷めずに回収する能力でした。水辺や茂みの中でも人の指示に従い、獲物をやわらかくくわえて運ぶことが求められ、英国の狩猟環境に合わせて繁殖が続けられてきました。The Kennel Club
現在の犬種標準でも、従順さや知性、優しく友好的で自信のある気質が示されています。人と協調して働く回収犬として発展してきた歴史は、現在の犬種に求められる特性にもつながっています。FCI 第111番

犬種として公認されるまで
1908年に展覧会へ出陳されるようになり、1913年、英国ケネルクラブが「Retriever (Golden and Yellow)」として独立した犬種に認めました。1920年に「Retriever (Golden)」へ改称され、これが現在の犬種名です。GRCA
その後、犬は英国から各国へ渡ります。アメリカン・ケネルクラブが公認したのは1925年です。FCIの犬種標準では、いまも原産国は英国と記載されています。FCI 第111番
- 1868スコットランド
- Guisachan で、Nous と Belle の交配により4頭の黄色い子犬が生まれる。犬種の起点とされています。
- 1835–1890繁殖記録
- トゥイードマウス卿が繁殖の記録を残す。のちに公開され、犬種の成り立ちをたどる資料になりました。
- 1908展覧会
- 英国の展覧会に出陳されるようになる。
- 1913公認
- 英国ケネルクラブが「Retriever (Golden and Yellow)」として独立した犬種に認める。
- 1920改称
- 「Retriever (Golden)」へ改称。現在の犬種名になる。
- 1925米国
- アメリカン・ケネルクラブが公認。以後、英国とは別に米国でも繁殖が進みます。
「英国系」という呼び方が指しているもの
「英国系」「イギリス系」「イングリッシュ」「ブリティッシュ」などは、英国で受け継がれてきたタイプを表す際に使われる呼び方です。「ヨーロピアン」も近い文脈で使われることがありますが、いずれも公認された別犬種の名称ではありません。世界の主要な犬種団体では、ゴールデンレトリーバーは一つの犬種として扱われています。
地域ごとに参照される犬種標準や、長年の繁殖の積み重ねによって、体格や顔立ち、被毛などに傾向の違いがみられることがあります。英国・FCIの標準は被毛色を「ゴールドからクリームまで」とし、米国の標準では極端に淡い色や濃い色は望ましくないとされています。優劣ではなく、基準や繁殖の背景の違いとしてご覧ください。AKC標準(GRCA掲載)
系統は呼び方だけでなく、親犬やその血統、実際の体格や顔立ち、動きもあわせて見ていただくものだと考えています。VILLAでは40年以上レトリーバーの繁殖に携わり、独自の系統づくりに取り組んできました。見学では、実際の親犬をご覧いただきながらご説明します。
いまの日本で暮らす犬として
回収犬として育てられた歴史は、現在の暮らしにもつながっています。活動的な大型犬のため、毎日の適度な散歩や運動と、定期的なブラッシングなどのお手入れが必要です。お迎え前には、ご家族の生活の中で無理なく続けられるかを考えておくことが大切です。The Kennel Club
歴史を知ることは、この犬種がどういう犬なのかを知ることでもあります。そのうえで、実際の一頭がご家族に合うかどうかをご覧いただくことをおすすめしています。
出典